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小さな集団が、激動の時代を生き抜く智恵

[私、夏川賀央は、ビジネス書作家です。
 ふつうビジネス書作家であれば、

「仕事に役立つ本」を紹介していくのが筋だろうとは思います。
 けれども、夏川は“逆転発想”をテーマとして、いままで本を書いてきました。
 だから私の書評では、仕事に役立つかどうかを別にして、

「思考の土台を根本的に変えるきっかけになりそうな本」を選んでいきます。
 いったいどんなものが集まるか……それはわかりません。
 ただ集めておけば、自分に役立つかも、ということで、

 きわめて個人的な読書ノートをつくっていきます]

そこで今回、
紹介するのは、

『海の都の物語』
(1〜6 新潮文庫)

という本。

『ローマ人の物語』
で知られる
塩野七生さんの大作ですね。

ただ、
「大作で6巻本」とはいえ、
文庫で1冊の分量は
さほど多くありません。
比較的、
気軽に読めるのではないでしょうか。

この本、ようするに
「ヴェネツィア」
の歴史です。

ヴェネツィアといえば、
イタリアのゴンドラに乗る観光地……
と、
そんなイメージの方が多いかもしれません。

実はヴェネツィアというのは、
力が支配する中世の時代にあって、
小さな都市共同体でありながら、
海上貿易を飛躍させ、
一〇〇〇年の間、
「自由な国」
を保ち続けた
歴史上稀に見る存在なんですね。

何より商売を重視したその考え方は、
「国」というより、
むしろ「企業」に近いもの。

けれどもその「企業」が、
フランスだの、スペインだの、
トルコだのという
大国と渡り合ったのです。
そこには、すごい
「駆け引きの歴史」
があったりします。

けれども、このヴェネチア。
もともとは他民族が侵入したとき、
住民が“干潟”に逃げたのがきっかけとか。
「そんな水浸しで、
使いものにならん土地はいらん」
と、
侵入者も手を出さなかったんですね。

その
「使いものにならかった土地に、
逃げ込んだ住民たち」
が、
のちのち世界を股にかけて、
大活用するようになるわけです。
弱小でも、
少人数でも、
所有するものがほとんどなくても、
智恵を使えば、やっていける!
……ということですね。

そんな智恵を
本書は教えてくれます。
それはたぶん、
仕事にも役に立つ智恵ではないでしょうか。


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