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筆談ホステスさんから学べること

[私、夏川賀央は、ビジネス書作家です。
 ふつうビジネス書作家であれば、

「仕事に役立つ本」を紹介していくのが筋だろうとは思います。
 けれども、夏川は“逆転発想”をテーマとして、いままで本を書いてきました。
 だから私の書評では、仕事に役立つかどうかを別にして、

「思考の土台を根本的に変えるきっかけになりそうな本」を選んでいきます。
 いったいどんなものが集まるか……それはわかりません。
 ただ集めておけば、自分に役立つかも、ということで、

 きわめて個人的な読書ノートをつくっていきます]

そこで今回、
紹介する本は、

『筆談ホステス』
(斉藤里恵著、光文社)

という本。
テレビなどで話題になっている本
ですよね。

斉藤さんは、
耳に障害を持つ女性です。
けれども、銀座のホステスとして
大人気。
その秘密は、
お客さんとの「筆談」にある。

本書は斉藤さん自身が、
自分の生い立ちと、
「筆談の力」
について明かしたものです。

でも、
筆談の力って一体何なのか?
たとえば、会社が経営危機に陥って、
落ち込んでいる経営者のお客さんがいる。
本人が渡すメモには
「辛い」
なんて言葉が書いてある。
斉藤さんは
「辛」という字に、
一本、線を足す。

「幸」

そして書く。

「辛いのは幸せになる途中ですよ」

筆談だからこそできる、
心を打つやりとりですよね。

先日、24時間テレビがありましたが、
本書はもちろん、
「ハンデを持つ人が頑張った話」
として読むこともできるでしょう。

でも、それ以上に私は、
「勉強して技術を磨く」
ということの意味を
深く考えさせられました。

私たちが話し方を技術として学ぶような、
「筆談のノウハウ」
というものは、
おそらくはどこにも存在しなかったでしょう。

けれども斉藤さんの場合、
「会話が不自由な自分が
どのようにして人に思いを伝えられるか」
という試行錯誤の結果、
「筆談術」という
オリジナルな能力が生み出されたのです。

『なぜ、ビジネス書を読んでも
「仕事ができる人」になれないのか』
(アスペクト刊)
という本で、私は
自分で様々なアウトプットをした成果として、
個人のノウハウは開発されるのだ
という話をしました。

その意味においては、
誰しも斉藤さんのように、
「自分独自の仕事術」
を開拓している過程にあるのです。

けれども斉藤さんと違って、
私たちの周囲には
「手っ取り早いノウハウ」
が溢れている。
それに甘んじてしまっては
いけないのですね。


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