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花とハチ、「当たり前のこと」の有り難さを認識しよう

[私、夏川賀央は、ビジネス書作家です。
 ふつうビジネス書作家であれば、

「仕事に役立つ本」を紹介していくのが筋だろうとは思います。
 けれども、夏川は“逆転発想”をテーマとして、いままで本を書いてきました。
 だから私の書評では、仕事に役立つかどうかを別にして、

「思考の土台を根本的に変えるきっかけになりそうな本」を選んでいきます。
 いったいどんなものが集まるか……それはわかりません。
 ただ集めておけば、自分に役立つかも、ということで、

 きわめて個人的な読書ノートをつくっていきます]

そこで今回紹介するのは、
いま非常に話題になっている本。

『ハチはなぜ大量死したのか』
(ローワン・ジェイコブセン著 文藝春秋)

というものです。

本日、通りを歩いていたら、
車道の植え込みの付近を
二、三匹のモンシロチョウが飛んでいました。
草木が花を咲かせ、
やがて実がなる……。
当たり前のように見えますが、
その背景には、
ハチやら蝶やら蛾やらアブやら……といった
昆虫の力があるんですね。

花のない世界とか、
果実のない世界なんて、
想像できるでしょうか?

植物に花が咲くのは当然と思いきや、
たとえば恐竜が栄えた時代なんていうのは、
シダのような植物ばかり。
花も実も。
存在していない世界だったようです。
どこかで「花」というシステムが生まれ、
花粉を媒体する昆虫などとともに
進化していったんですね。

で、
じつは「花が咲く」という
“当たり前”が
ひょっとしたら、ピンチになっているかもしれない。
それが本書のテーマ。
「ミツバチ大量死」なんですね。

ミツバチというのは、
知れば知るほど面白い。
おそらくは人間以上の
完成された社会を持っている生物でしょう。
けれども完成度が高いせいか、
ちょっと狂うと、
全体がおかしくなってしまう。

たとえば蜜探しに出かけたハチが、
「わたしは何をやっているんだろう?」
と悩み出し、
そのまま巣に戻らずに、
どこか遠くへ旅立ってしまうとか。

あるいは子育てを担当するハチが、突然、
「わたし、こんなことやるために
生まれてきたんじゃない!」
と職場放棄してしまうとか……。

まるで悩めるビジネスパーソンみたいですね。

でも冗談抜きで、
とくに米国などでは、
養蜂業が崩壊するような状況が起こっている。
いったい何が原因なのか?
本書ではさまざまな角度から追求しています。

ミツバチの歴史は、
蜂蜜を愛する人間とともに発展してきました。
だから花粉を媒体する昆虫でも、
主役中の主役。
だいたい
「ミツバチがいるから、作物が実っている」
と言ってもいいくらいだとのこと。
では、
ミツバチがいなくなったら……。
怖いですよね。

花が咲く、実がなる。
「当たり前のこと」
が起こるのには、
きちんとそれを支えるシステムが存在しているんです。
単に自然の問題だけでなく、
それは身の周りの「環境」すべてにわたって
同じでしょう。
会社もそう、家族もそう、日常の生活もそう……。
私たちは、
その「有り難さ」を
再認識すべきときにあるのかもしれません。

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