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「ゆるす」ことで、人は自由になれる?

[私、夏川賀央は、ビジネス書作家です。
 ふつうビジネス書作家であれば、

「仕事に役立つ本」を紹介していくのが筋だろうとは思います。
 けれども、夏川は“逆転発想”をテーマとして、いままで本を書いてきました。
 だから私の書評では、仕事に役立つかどうかを別にして、

「思考の土台を根本的に変えるきっかけになりそうな本」を選んでいきます。
 いったいどんなものが集まるか……それはわかりません。
 ただ集めておけば、自分に役立つかも、ということで、

 きわめて個人的な読書ノートをつくっていきます]

そこで今回、紹介するのは、

『ゆるすということ』
(サンマーク文庫)
という本。

精神医学者の
ジェラルド・G・ジャンポルスキー
という人が書いた
「ゆるす」ための方法論ですね。

なぜ、この本を紹介したかといえば、
先日『アイシテル』
というドラマの最終回を見たんです。

小さな子どもを殺してしまった少年の母親が、
ついに被害者の母親に出会う。
必死に頭を下げ、涙する少年の母親に、
被害者の母親は言う。

「もう止めてください。
あなたがどんなに苦しんでも、
それで私たちの心が
癒されることはないんですよ……」

印象的なシーンでした。

最近は、こういう事件も
つくりごとではないですよね。

今日の朝、テレビを見ていると、
ホームで人を突き落とした少年の遺族が、
「最高刑は出たんだけれど、
少年法による判決では軽すぎる」
と、
理不尽を訴えていました。
もし自分だったらと思うと、
極刑すら要求するのかもしれません。
気持ちはよくわかる気もします。

けれども、そうなれば、
納得して心が満たされるのか?
亡くなった人は帰ってこないのです。
そんなに簡単ではありません。

かつては人間社会、
「殺されたら殺しかえす」が。
やはりルールだったようです。
けれども、それでは心も満たされないから、
「一家全員を皆殺しだ」
といって、
復讐をエスカレートさせる。
やられたほうもたまらないから、
「報復戦だ!」
となる。
それじゃあキリがないから、
命一つには、命一つ。
目には目を……と決めたのが、
歴史上最初の法典、
「ハンムラビ法典」
の原型だったそうです。

結局は、
刑に刑をでは何も解決にならない。
だから本当に必要なのは
「重罰化より、被害者ケアではないか」
と、
いまお仕事をさせていただいている
司法試験のカリスマ、
伊藤真先生も
おっしゃっていました。

『ゆるすということ』の中で
ジャンポルスキーは、
「ゆるすことで過去から解放され、
いまこの瞬間を100パーセント生きる
喜びを味わえる」
と言います。
それは殺人事件などでなく、
私たちが過去において体験した、
「ゆるせないこと」
についても、
全部そうなのでしょう。

『アイシテル』のドラマの中で
被害者の父親役である佐野史郎さんは、
「憎むべき相手は、結局のところ
自分たちの心の中にしかいない」
と言っていました。

難しいことですが、
私たちが「未来」と向き合うために
「ゆるすノウハウ」は、
必要なのかもしれませんね。


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常識転換の読書術」カテゴリの記事

コメント

汝、許し給へ。

これに気がつくのに44年かかりました(^^ゞ

投稿: マーくん | 2009年6月20日 (土) 12時02分

2年前の夏、小2だった娘が下校中に横断歩道で交通事故にあい救急車で運ばれました。
相手はお弁当の配送の車でした。
定年過ぎたおじさんで、反対側にいた他の生徒に気をとられ娘に気がつかなかったようです。
丈夫な娘もさすがに車には勝てず骨折し、夏休みは松葉杖生活でした。

しかし動揺する中、誠実に対処してくれたおじさんを責める気にはなれませんでした。
警察の取調べの時もその旨を伝えました。
でも犯罪に巻き込まれ亡くなってしまったら、そんな事いってられませんね。

投稿: | 2009年6月23日 (火) 01時23分

そうですね。重罰を求める被害者がいる一方で、
この前は、「死刑反対を求める被害者の会」が
話題になっていました。
この問題は、たぶん答えのない
難しい問題なんでしょう。
でも、安易に世論に流されず
「難しい問題なんだ」と認識することが
私たちには一番大切なのかもしれませんね。

投稿: 夏川賀央 | 2009年6月23日 (火) 13時51分

数年前に出会った、わたしの愛読書のうちの一冊です。
「ゆるす」ということが、なにより自分自身を解放し、
今の自分をとりまくすべてを変容させる主体的で力強い行為なのだと
身を以て体感するきっかけとなってくれた本でした。

今まで、繋がらないと思っていた私の本棚にある本たちが
結果、ビジネスや現実社会での成果につながる大切なものなのだと
実感できて、とてもうれしいです!

うれしくってコメントしていまいました。笑

これからも楽しみにしています。

投稿: 川嶋治子 | 2009年6月25日 (木) 10時19分

川嶋さん
ありがとうございます!
これからも、どしどしコメントください。

投稿: 夏川賀央 | 2009年6月25日 (木) 14時50分

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