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「幸せな世界の形」を考えてみる

[私、夏川賀央は、ビジネス書作家です。
 ふつうビジネス書作家であれば、

「仕事に役立つ本」を紹介していくのが筋だろうとは思います。
 けれども、夏川は“逆転発想”をテーマとして、いままで本を書いてきました。
 だから私の書評では、仕事に役立つかどうかを別にして、

「思考の土台を根本的に変えるきっかけになりそうな本」を選んでいきます。
 いったいどんなものが集まるか……それはわかりません。
 ただ集めておけば、自分に役立つかも、ということで、

 きわめて個人的な読書ノートをつくっていきます]

そこで今回、紹介するのは、
中谷巌さんの

『資本主義はなぜ自壊したのか』
(集英社インターナショナル)

という本です。

アメリカ発の金融危機が起こってから、
この手の本は非常にたくさんあります。
「アメリカの金融社会が悪い」
「投資ファンドや
 株主ばかりを向いてきた経営が悪い」
「小泉政権下の構造改革が悪い」
……と、並べていったものですね。

まあ、その辺の話には、
いろんな観点があるのでしょう。
正解はよくわかりません。
経済の専門家、
中谷巌さんの本ですから、
本書にもそういう性格はあります。

けれども面白いのは、
「グローバルな資本主義社会」と
まったく縁のない三つの文化を紹介し、
“逆の成功例”が、
しっかり示されていること。

その三つは
・キューバ
・ブータン
・日本の江戸時代
です。

「キューバ」というのは、
カストロ議長のイメージが強いと思います。
だから社会主義国。
基本的に豊かな国ではありませんが、
その代わり医療のレベルが極めて高く、
国民誰もが無料で受けられます。

「ブータン」というのは、
あまりお馴染みでないかもしれません。
仏教文化の浸透した、閉鎖的な王国。
国王の独裁制です。
こちらも豊かとはいえませんが、
「国民総幸福量」なる数値が、
世界でもナンバーワンであるとか。
“みんなが笑っている国”
なんですね。

一方、日本の江戸時代も、
「士農工商」という身分差はありながら、
きわめて国民が平等で、
けっこう“豊か”な共同体を
つくっていました。

むろん、
この三つのような社会になれ、
というわけではないでしょう。
けれどもここには、
私たちが人生を豊かに生きるための、
大きなヒントがあるようにも思います。
分厚くて読み応えもある本ですが、
世の中を考え直す、
いい“きっかけ”に
なるのではないでしょうか。

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